MSC 培養サプリメント
ばらつきへの対応
間葉系幹細胞(MSC)は自己複製能、多分化能、免疫制御性を有するため、いくつかのヒト疾患において細胞療法の候補となっています。
しかし、ISCT(国際細胞治療学会)ではMSCを細胞表面マーカー(CD105+, CD73+, CD90+, CD34-, CD14-または CD11b-, CD79またはCD19-, HLA-DR-)により定義していますが、それでもMSCの性状は由来組織、ドナー、使用する分離技術により大きく左右されます(参考文献1)。MSCの多くは培養皿内で徐々に多能性と増殖能を失っていくため、細胞性状に内在するそのようなばらつきは培養細胞の培養効率および品質、ひいては臨床転帰に大きく影響します。
したがって、研究室から臨床まで、プロジェクト進展に沿って一貫した培養を実現するには、標準化された培養技術および培地を使用することが必要不可欠です。
異種不使用から動物由来不使用まで
現在でも、ウシ胎児血清(FBS)やヒト血小板溶解物(hPL)などの未定義成分を、同等のMSC細胞成長能を有する既知完成培地で代替することは困難な課題となっています。DOE(実験計画法)は成分組成の最適化に有力な手法ですが、各試薬の成長促進能(ポテンシー)は製造業者により異なります。
アルブミンはしばしば使用される成分であり、MSCの成長にとって必要不可欠であることが判っています(参考文献2)。しかしアルブミンはもともと血漿分画工程の副産物であったこと、および他の血漿分子とくっつきやすいことから、長らくロット間ばらつきを制御できないと考えられてきました。同時に脂肪酸などアルブミンの不純物によるMSC培養への影響も報告されています(参考文献3)。
deAlbumin™ は酵母由来の調製済み遺伝子組み換えrHSAで、規定されたレシピを用い、付いてくる小分子をすべて排除し、それら小分子の規定レシピにより再会合したものです。deAlbuminTM はMSC 成分を30-47%増大させることができます。
承認済み原材料
deAlbumin™ 製品DA01 は再生医療用原材料として日本のPMDA(医薬品医療機器総合機構)により承認され、「再生医療等製品材料適格性確認書」を取得しています。